日本疫学会誌『福島特集号』&UNSCEAR2020/21 レポート検証シンポジウム

被曝による甲状腺がん多発を否定する 2 つの報告書
その検証と健康被害の実情を考える オンライン公開
230人のご参加ありがとうございました

・日時:2023年3月3日(金) 17:00〜20:15 (開場 16 時 30 分) 
・場所:福島大学 M 講義棟 M1 教室 & オンライン 
・主催:3・3シンポジウム実行委員会 共催:福島大学放射線副読本研究会

プレス・リリース 検証ネットワーク緊急声明 2023 年 3 月 3 日 13 時発出

被ばくによる甲状腺がん多発を否定する UNSCEAR2020/21報告書&
福島医大論文集『福島特集』には科学的エビデンスは存在しない!

福島県立医科大学は、日本疫学会誌 Journal of Epidemiologyに 『福島特集号-東日本大震災後の 10 年』
を公表しました。その中で、県民健康調査の小児甲状腺がんの増加は
放射線被ばくが原因ではなく、高感度超音波スクリーニングによるものであることを示唆しています。

私たち「UNSCEAR 2020/2021レポート検証ネットワーク」は、
『福島特集号』の各論文とUNSCEAR報告書を検証するとともに

多発している甲状腺がんが被ばく起因であることを科学的に証明した結果を
報告するシンポジウムを多くの研究者の共同事業として開催しました。要旨は

1.「福島特集号」の各論文における県民健康調査の分析方法は、医学における因果関係を証明する
 現代の疫学の方法論を踏襲せず、古い方法に基づいている。したがって、県民健康調査検討委員会
や甲状腺検査評価部会が数十倍の多発を認めているにもかかわらず

放射線被ばくと多発との因果関係を未だに示すことができていない。

2.検討委員会報告の 4 地域で、1 巡目 2 巡目とも
年間発
生率が UNSCEAR 推定の甲状腺吸収線量に比例して増え、
統計的に有意な
量・反応関係が成立している。甲状腺がんの多発は被ばく影響であり、
過剰診断でないことが過小
評価の UNSCEAR 推定値を用いても示された。

3.甲状腺がん年間発生率をチェルノブイリのデータと比較して推定された
福島の甲状腺線量はUNSCEAR の推定値の約 70 倍であった。
つまり、UNSCEAR 報告では数十分の一に過小評価されていた。

4.福島原発事故後、第1原発から広がった、放射性ヨウ素を大量に含むプルームに
どれだけ曝されたかは甲状腺被ばく線量を推定する上で極めて重要である。
このプルームが福島市にもたらしたヨウ素 131 の大気中濃度
1/100 程度に過小評価されていると見積もられる。 

5.日本政府はこの UNSCEAR がさも科学的権威が高い国際機関であるよう
な宣伝をし、報道機関の多くがそれに追随している。
非科学的な過小評価で固めた UNSCEAR
報告書およびそれに完全に依拠する(福島特集号を含む)日本の組織や機関の言動は看過できない。

6.過小評価した被ばく線量を唯一の根拠として、福島医大は過剰診断説に固執している。
しかし、甲状腺がんを宣告され、苦しい手術や治療に耐え頑張っている若い患者たちに向かって
がんは過剰診断にすぎず手術などは必要なかったと言えるのか。
被ばくの影響ではない、甲状腺検査は縮小すべきだと主張する医師や研究者たちは、
被害に苦しむ若者たちの声に真剣に耳を傾けるべきではないか。
甲状腺検査の維持・拡充と
、甲状腺がんになった被害者たちへの公的な救済の必要を訴える。

UNSCEAR 2020/21 報告書検証ネットワーク
3.3福島大シンポジウム実行委員会



 




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